中小企業省力化投資補助金(一般型)のしくみ、申請の方法と流れ
最終更新日:2025年9月5日
中小企業省力化投資補助金(一般型)の概要と申請方法

この補助金の目的
中小企業省力化投資補助金は、
・中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しする
・それを賃上げにつなげる
ことを目的としています。
このために、人手不足解消に効果がある専用設備を導入するための経費の一部を補助します。
どんなものが補助対象となるか
生産性向上(作業時間の短縮・作業の効率化)のためのオーダーメイド設備が補助対象となります。
「オーダーメイド設備」とは、御社の業務専用にカスタマイズされた機械装置やシステムのことです。
つまり、(設備が老朽化したための単なる買い替えなど)既製品をそのまま購入した場合は補助対象外となります。
「オーダーメイド」と認められるには、
・自社に合わせた特注品
・既製品+オプションやソフトウェアとの組み合わせで自社の業務に最適化する
・既製品と周辺機器をいくつか組み合わせて自社の業務専用の設備を構築する
などが必要となります。
※なぜオーターメイドにこだわるかというと、中小企業省力化補助金(カタログ注文型)という補助金もあるためです。
補助金額は
投資額(購入する設備の金額)×補助率、と補助上限額の、どちらか小さいほうが最大補助金額となります。
補助率・補助上限額
補助率 小規模企業・小規模事業者の場合
1,500万円まで 2/3
1,500万円を超えた部分 1/3
中小企業の場合
1,500万円まで 1/2
(2/3)
1,500万円を超えた部分 1/3
補助上限額 従業員数により異なります
5人以下 750万円(1,000万円)
6~20人 1,500万円(2,000万円)
21~50人 3,000万円(4,000万円)
51~100人 5,000万円(6,500万円)
101人以上 8,000万円(1億円)
※カッコ内の補助率・補助上限額は以降に説明する「特例」が適用された場合。
小規模企業者・小規模事業者の範囲
小規模企業者・小規模事業者とは、
常勤従業員数が、
・製造業その他・宿泊業・娯楽業では20人以下
・卸売業・小売業・サービス業では5人以下
の会社または個人事業主をいいます。
「特例」による補助金額のアップ
(1)大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例
・給与支給総額を年平均成長率+6.0%以上
かつ
・事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を都道府県別最低賃金+50円以上の水準とすること
を毎年達成する3~5年の事業計画を作成すること。
毎年実施状況を報告し、目標値が達成できない場合、受け取った補助金は返金しなければなりません。
(2)最低賃金賃引き上げに係る補助率引き上げ特例
中小企業だけが対象です。
2023年10月から2024年9月までの間で3ヶ月間以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上
あれば、「最低賃金引き上げに係る要件確認書」を提出することで補助率が2/3に引き上げられます。
補助対象者・対象設備など
中小企業、小規模企業者、小規模事業者であることが条件です。
・車両、建物、汎用的に使える装置(パッケージソフトを含む)単体は補助対象となりません。
・すでに購入した設備については申請できません。
・導入する設備の設置場所が確保されていること。(申請時に建設中とか建設予定は補助対象外となります)
・公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複がある事業は補助対象となりません。
・みなし大企業は対象外、みなし同一法人の場合はそのうちの1社のみの申請となります。
・他の補助金の交付決定を受け現在も進行中であるなどの場合は、申請できません。
(ものづくり補助金、事業再構築補助金、観光地・観光産業における人材不足対策事業)
申請するための要件
以下の1.~3.すべての要件を達成する事業計画を作成し、実際にクリアする必要があります。
これは5年間、毎年状況報告をして、達成できない場合は、補助金の一部または全額の返還となります。
1.労働生産性を年平均成長率(CAGR)+4.0%以上向上させる
労働生産性 = (営業利益+人件費+減価償却費)/労働者数
賃金を上げつつ、かつ利益も上げて、労働生産性を毎年4%(複利で)上昇を5年間続けることが要件となります。
2.給与支給総額又は1人当たり給与支給総額の増加
・事業計画期間終了時点において、給与支給総額の年平均成長率を+2.0%以上増加させる。
または、
・1人当たり給与支給総額の年平均成長率を都道府県別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上増加させる。
(都道府県によって違います。2.8%~4.3%)
3.最低賃金の引き上げ
事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、
毎年、都道府県における最低賃金+30円以上の水準とすることが必要です。
4.(従業員が21人以上の場合のみ)「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」の公表
厚生労働省「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表することが必要です。
応募時点で公表していない場合は、公表する旨の宣誓を提出します。
申請手続きの流れ
手続きの流れ
gBizIDの取得
この補助金のオンライン申請にはgBizIDというアカウントが必須です。
取得の方法についてはこちらを参照してください。
事業計画書の作成・機械装置やシステム等の選定
まず、導入したい機械装置やソフトウェアのシステムを確定します。
そして、それらを導入した際の省力化効果などを具体的に記載した事業計画書を作成します。
提出書類の準備
公的証明書類を取得し、
また、指定様式で提出が要求されている各種書類を作成します。
申請
中小企業省力化投資補助金(一般型)のサイトの左上「応募・交付申請はこちら」から申請します。
入力する項目:
・会社の基本情報
・申請要件に合致しているかの情報
・事業計画名、概要
・事業所内最低賃金(時給換算)
・上記申請のための要件に記載した各項目の目標値
・向こう5年分の事業計画数値表
・経費明細、資金調達内訳
・提出書類は、PDF・Excelで添付(アップロード)します。
(差し戻し)
申請内容や添付書類に不備や確認事項がある場合、事務局から差し戻しされます。
訂正期限が設けられますので、期限までに不備を解消し再提出します。
審査
提出した事業者情報、事業計画書に基づいて、事務局が内容の審査を行います。
1. 対象事業、対象者、申請要件、補助率等の要件を満たしているか
2. 省力化の技術面(省力化指数や投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備)
3. 計画の妥当性(スケジュール等が具体的か、企業の収益性、生産性、賃金が向上するか)
4.地域への貢献など
という観点で評価されます。
審査期間は約2.5ヵ月かかります。
一定の補助額を超えた事業者は書面審査に加え、口頭審査を行います。
採択結果発表(補助金交付候補者決定)
審査結果は、ホームページに公表されます。また、審査結果の公表後、採択者及び不採択者に対して事務局から審査結果を通知します。
※説明会等への参加
採択された事業者は、研修動画の視聴をしなければなりません(確認テストを含む)。視聴しない場合は、採択は無効となります。
交付申請・交付審査
採択されただけでは設備を購入することはできません。
相見積もりの取得・業者の選択、その他事務局から指定された情報を入力して、交付申請を行います。
それらがまた審査されて、補助金交付対象者として認定されます。
交付決定・補助事業開始
交付決定の通知を受けたら補助事業を開始できます。
補助事業実施期間(交付決定日から18か月以内)内に、契約(発注)・納品・検収・支払等の全ての事業の手続きを完了し、実績報告書を提出しなければなりません。
確定検査
実績報告書が審査され、妥当と認められれば、最終的な補助金額が確定されます。
補助金請求
確定検査を通れば自動的に補助金が振り込まれるわけではなく、
事務局へ補助金の請求手続きをしなければなりません。
補助金交付
補助金請求手続きに問題がなければ、補助金が振り込まれます。
効果報告(毎年4月)
終了後5年間、本補助事業による効果を報告します。
上述した補助金の支給要件をクリアしなければ、最悪、補助金を返還となります。
申請期間
第3回の受付は2025年8月29日に終了しました。
次回の申請期間についは未定ですが、11月下旬~12月と予想されます。
申請に必要な書類
【指定様式】はこちらからフォーマットをダウンロードし、記入します。
- 法人の場合
- 個人事業主の場合
1.履歴事項全部証明書
発行から3ヵ月以内のもの。
2.納税証明書(その2)直近3期分
3.損益計算書直近2期分(製造原価報告書、販売費及び一般管理費明細、個別注記表をあわせて提出してください。)
※製造原価報告書・販売費及び一般管理費明細は従来から作成している場合のみ。
※人件費、営業利益、減価償却費の項目が明確であることが必要です。
4.貸借対照表直近2期分
5.法人事業概況説明書
直近のもの、税務申告書類のなかにあります。
※資本金1億以上の場合は「会社事業概況説明書」の提出が必要です。
※当該資料から従業員数が変動し、補助上限額が増加する場合や、当該資料に従業員数の記載がない場合は【指定様式】労働者名簿をあわせて提出してください。
6.【指定様式】役員名簿
※応募申請時点の全役員の情報が記載されていること。
※大企業に所属する役員、みなし大企業に所属している役員にはチェックが入っていること。
※株式会社以外の組織形態においては、役員に当たる役職の情報を記載してください。
7.【指定様式】株主・出資者名簿
※応募申請時点の全株主・出資者の情報が記載されていること。
※大企業または大企業に属している者、みなし大企業にはチェックが入っていること。
※株主・出資者が21名以上の場合全員分の入力は必要ありません。株保有数・出資価格が多い方から20名の情報を入力してください。
8.【指定様式】事業計画書(その3)
9.<補助事業の実施場所が複数ある事業者>【指定様式】事業実施場所リスト
10.補助率引き上げの特例を適用する事業者【指定様式】最低賃金引き上げに係る要件確認書
要件確認書とあわせて対象月の各シートに必要事項を入力してください。
11.他の助成制度の利用実績がある事業者【指定様式】他の助成制度の利用実績確認書
過去5年間に交付を受けたもしくは申請している(応募申請、交付申請等全てを含む。)補助金及び委託費の実績について、全て記載してください。
※実績が記載されていない場合、不採択となる可能性がありますので必ず記載してください。
12.金融機関から借り入れを受ける事業者【指定様式】金融機関確認書
設備投資にあたり金融機関等借入がある場合に提出が必要です。
13.導入予定の機器装置等についてのカタログや説明資料
導入予定の機器装置等について、事業計画書に記載した内容を補う資料として、カタログや説明資料等、補足資料があれば添付してください。※提出は任意ですが、提出することをお勧めします。
14.<事業承継又はM&Aの場合>事業承継又はM&Aを実施したことがわかる確認資料
1.の確定申告書の控え(第一表)
電子申告の印字または受領印のあるもの。ない場合、受信通知も併せて提出することで可。
2.令和6年度の納税証明書(その2)
税目は所得税で取得する。
3.白色申告の場合、白色申告収支内訳書
青色申告の場合は、青色申告決算書
※人件費、営業利益、減価償却費の項目が明確であること。
※当該資料から従業員数が変動し、補助上限額が増加する場合や、当該資料に従業員数の記載がない場合は【指定様式】労働者名簿をあわせて提出してください。
4.貸借対照表直近2期分
白色申告の事業者は提出不要です。
5.【指定様式】事業計画書(その3)
6.補助事業の実施場所が複数ある事業者【指定様式】事業実施場所リスト
7.補助率引き上げの特例を適用する事業者【指定様式】最低賃金引き上げに係る要件確認書
※要件確認書とあわせて対象月の各シートに必要事項を入力してください。
8.他の助成制度の利用実績がある事業者【指定様式】他の助成制度の利用実績確認書
過去5年間に交付を受けたもしくは申請している(応募申請、交付申請等全てを含む。)補助金及び委託費の実績について、全て記載してください。
※実績が記載されていない場合、不採択となる可能性がありますので必ず記載してください。
9.金融機関から借り入れを受ける事業者【指定様式】金融機関確認書
金融機関等からの借入で本事業を行う場合に提出が必要です。
10.導入予定の機器装置等についてのカタログや説明資料
導入予定の機器装置等について、事業計画書に記載した内容を補う資料として、カタログや説明資料等、補足資料があれば添付してください。※提出は任意ですが、提出することをお勧めします。
11.<事業承継又はM&Aの場合>事業承継又はM&Aを実施したことがわかる確認資料
事業計画書の作成
補助金は、申請手続きをすれば誰でももらえるというものではなく、
事業計画等が審査され点数がつけられて、上位の人から順に採択されるという仕組みです。
つまり、事業計画書がてきとうだと、もらえるものももらえません。
事業計画書では、
・補助金を使って行う事業の具体的取組内容
・将来の展望
・会社全体の事業計画
をはっきりと示すことが重要です。
事業計画書その1・その2
まずこちらから、【参考様式】事業計画書(その1・その2)をダウンロードしてください。
文中に記載すべき内容が指示されていますので、それに従って事業計画書を作成していきます。
なお、word文書で作るのは下書きです。これを添付するわけではありません。
申請手続きでは、申請画面の「事業計画名及び作成者情報」ページにこれと同じ内容を入力します。
事業計画書その1・その2に記載する内容
1.事業者の概要(現状分析・経営課題)
1‐1現状分析
1‐2経営課題
1‐3省力化補助金活用の動機・目的
2.省力化投資の具体的内容(投資全体金額と補助申請金額を含む)
2-1設備導入による業務プロセスや配置のビフォーアフター
2-2省力化投資により期待される効果と事業者全体への波及効果
3.省力化投資で生まれる経営資源の活用による新たな付加価値の創出
3‐1労働生産性と給与支給総額等の向上
4.財務計画(資金調達と今後の数値計画)
5.事業の実施体制とスケジュール
6.補足事項
事業計画書その3
こちらから、【参考様式】事業計画書(その3)をダウンロードしてください。
事業計画書(その3)のExcelファイルには、6シートが用意されています。
【指定様式】事業計画書及び別紙1~3は提出が必要です。必要事項を入力のうえExcelで添付します。
【参考書式】と表示しているシートは参考用です。
事業計画書その3のまとめ方
1.「(別紙1)省力化計算シート」の記入
これに数値を入力すると”省力化指数”が計算されて、自動的に事業計画書に転記されます。
また、設備導入前後の業務プロセス・作業工程を入力すると(別紙2)に図が作成されます。
2.「(別紙3)投資回収期間計算シート」の記入
これに数値を入力すると”省力化指数”が計算されて、自動的に事業計画書に転記されます。
3. 【参考書式】事業計画目標値算出シートの記入
電子申請システムの「7-事業計画数値」に向こう5年間の数値を入力するための下書きシートです。
完成したら、ここに入力した数値を申請画面に転記します。
4.電子申請システムの「7-事業計画数値」に数値を入力
入力完了(確定)後、その画面のスナップショットをとって、事業計画書に貼り付けます。
つまりオンライン申請を途中までやっておかないと事業計画書その3は完成しません。
5.事業計画書の記入
事業計画書の残りの部分の内容を記載します。
「加点項目」について
補助金申請は、事業計画等が審査されて点数がつけられ、上位の人から採択されるという仕組み、
ということはお話ししましたが、
この審査点数を確実にアップし採択に近づける方法があります。
事業継続力強化計画に対する加点
有効な期間の事業継続力強化計画(連携型含む)の認定を取得している事業者。
成長加速マッチングサービスに登録している事業者に対する加点
「成長加速マッチングサービス」で会員登録を行い、挑戦課題を登録している事業者。
賃上げ加点
事業計画期間終了時点における給与支給総額の年平均成長率4.0%以上増加する計画を有すること及び、事業場内最低賃金を毎年3月に事業実施都道府県における最低賃金より+40円以上の水準を満たすことを目標とし、事務局に誓約している事業者
※ 効果報告において未達の場合は、補助金の返金を請求されます。また、報告を受けてから18か月、中小企業庁が所管する補助金の申請をしたとき大幅に減点されます。
えるぼし加点
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者
くるみん加点
次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者
事業承継又はM&Aを実施した事業者(申請者)に対する加点
事業承継は、株式譲渡又は相続・贈与により法人と個人間で承継した場合、又は同一法人内で代表者交代したものに限る。
千葉県内の企業の、中小企業省力化投資補助金の申請をサポートしています。
中小企業省力化補助金(一般型)事業計画書作成から補助金交付まで、すべての手続きをサポートします。
こんなお悩みこんなときはご連絡ください。
・自分のところでも補助金が受けられるのか知りたい
・書類の書き方や手続きが複雑すぎる
・忙しくて準備している時間がない
リモート歓迎
夜・土日でも相談可
初回相談無料
遠慮なくお電話ください050-6861-7330お電話受付時間 10:00-19:00
お問い合わせページ