補助金の審査で評価を確実に上げる方法

「加点項目」で補助金採択の可能性を確実にアップさせる

 加点項目とは、補助金採択審査の評価に上乗せしてもらえる、いわば”ボーナスポイント”です。
補助金は、申請内容が審査され評価の高い順に採択される(審査に通る)、受験のような仕組みになっていますので、
加点項目があれば当然有利になります。

ここでは、「ものづくり補助金」と「小規模事業者持続化補助金」の2つについて、
それぞれの加点項目について説明します。

補助金審査での加点項目、採択の可能性を確実にアップさせる。

加点項目の数と採択率の関係

過去のものづくり補助金申請データによれば、取得した加点項目の数が多いほど、採択率(赤線)は上昇します。

加点項目と採択率の関係
ものづくり補助金公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」より抜粋

ものづくり補助金の加点項目

事業継続力強化計画認定は取っておきたい

1 「経営革新計画」の認定

”既存事業とは異なる新事業活動に取り組み、経営の相当程度の向上を達成する内容”の経営計画を策定し、
都道府県の承認を受けます。
事前チェックと内容修正指示があり、受付から承認を得るまで3~6ヵ月必要な、とても手間のかかる申請ですが
この認定を受けられれば採択の可能性は格段に上がります。

2 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)

創業後、あるいは別事業を始めて間もない企業でしたら、この加点が使えます。

個人事業者の場合、第二創業の加点はありません。
個人事業主の事業を承継する場合は、”創業”として加点申請できます。

3 「パートナーシップ構築宣言」を行っている

 親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行の遵守を宣言するもので、
「発注者」の立場から行うものですが、小規模事業者・個人事業主でも宣言はできます。

宣言の登録はそんなに手間がかからないので、取得しておくことをお勧めします。

4 再生事業者

私的整理手続きをしている中小企業等です。

5 「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」

デジタル枠のみの加点項目です。
特に認定を受ける等の手続きは必要ありませんが、指定の提出様式に取組内容を記載すること、
取組状況およびレポート類を自社のホームページで公開しているなどの条件があり、
その内容が審査されます。

人員構成的な取組内容もあるので、小規模な企業だと対応は難しいかもしれません。

6 「事業継続力強化計画」の認定を取得

自然災害や感染症に備える、防災・減災のための事前対策に関する計画です。

採択されるためには必須と言っていいので、
ものづくり補助金申請の2ヵ月前までには申請すること。

7 賃上げ加点

①給与支給総額を年率平均2%増加かつ事業所内最低賃金は地域別最低賃金+60円
 または
 給与支給総額を年率平均3%増加かつ事業所内最低賃金は地域別最低賃金+90円

 人件費の負担が大きいので安易にお勧めはできません。

②被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合

8 その他の加点項目

令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者、J-Startup、J-Startup地域版に認定された事業者、「新規輸出1万者支援プログラム」に登録した事業者、取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者(グリーン枠のみ)

全然一般的ではないので説明は省略。

小規模事業者持続化補助金の加点項目

電子申請加点は必須・経営力向上加点は取っておきたい

1 パワーアップ型加点

「地域資源を活用し良いモノ・サービスを高く提供できる事業者」
または
「地域の課題解決や暮らしの需要に応えるサービス」
であれば、その取組内容を経営計画書に記載することで加点してもらえる場合があります。

2 赤字賃上げ加点

賃金引上げ枠を選択した赤字事業者も加点されます。
ただし、赤字の状態で賃金を大幅に引き上げ続けるので、
しっかりした見込みが立てられるという場合以外はお勧めできません。

3 経営力向上加点

申請時点で「経営力向上計画」の認定を受けている事業者。

これをとっておけば審査でかなり有利になりますが、
申請から認定まで30日かかりますので早めの準備が必要です。

4 電子申請

加点項目ではありませんが、GbizIDを取得し、Jグランツから電子申請してください。
郵送で申請すると、それだけで減点となってしまいます。

5 事業承継加点

申請者が60歳以上で、かつ後継者候補が中心となって事業計画を遂行する場合。

商工会・商工会議所が作成・交付する「事業承継診断票」が必要、その他複数証明書類が必要となります。

6 東日本大震災加点

東京電力福島第一原子力発電所の事故により避難指示等の対象となった福島県12市町村、
または平洋沿岸部(北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県及び千葉県)に所在する水産仲買業者及び水産加工業者。

処理水排出の風評被害が予想される水産加工業者等も対象です。

7 過疎地域加点

「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」に定める過疎地域で、地域経済の持続的発展につながる取組を行う事業者。

8 事業環境変化加点

ウクライナ情勢や原油・LPガス価格の高騰を受けている事業者。
事業計画書に物価高騰等の影響を受けている内容を記載すること。

ただ「物価が上がって困っています」だけではなく
物価高の影響、その対策としてどんなことを行ったか、これからどんな対策を計画しているか
を事業計画の中に入れるとよいと思います。

8 その他の加点

・次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者

・女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者

・従業員100 人以下の事業者で「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者

・もしくは従業員 100 人以下の事業者で「両立支援のひろば」に 次世代法 に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者

各種計画認定申請代行・宣言登録代行

補助金を受け取れる可能性をできるだけ上げたいが、自分で申請するにはちょっとハードルが高い。

そんなときは当事務所にご相談ください。
公的機関への申請代行は行政書士にのみ許された業務です

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