「経営力向上計画」の認定
経営力向上計画とは
「経営力向上計画」とは、中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)が、
人材育成、コスト管理、設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画です。
これを作成して所轄官庁(経産省など)に認定申請し、認定してもらうことで、
補助金の優先採択・税金や資金調達で優遇措置を受けることができます。
「経営力向上計画」のメリット
その1 設備を導入するときの税制優遇
法人税(個人事業主の場合は所得税)について、
即時償却または取得価額の10%の税額控除が適用されます。
どちらを選択するかは自由です。
① 即時償却
経営力向上計画で認定された設備の購入額を、当年度の経費として一度に落とすことができます。
簡単に説明すると、
(当年度の所得)1,000万円 -(設備の購入額)1,000万円 =(当年度の利益)0円
=> 利益0円なので、当年度は税金がかからない。
当年度利益が出ていない場合でも
(当年度の所得)0円 ー(設備の購入)1,000万円 =(赤字)-1,000万円
=> -1,000万円は翌年度以降も繰り越せて、利益と相殺できる。つまり合計1,000万円分利益がでるまでは税金が発生しない。
② 10%の税額控除
当年度の税金のうち10%が免除されます。(最大で200万円まで)
1,000万円の設備を10年で減価償却した場合、
(当年度の所得)1,000万円 -(設備の減価償却費)100万円 =(当年度の利益)900万円
=> 税額を30%とすると 900×30%=27万円 税金が安くなる。
その2 政府系金融機関による低金利融資など
経営力向上計画が認定された事業者には、資金調達について支援があります。
これらを希望するときは、認定の申請を出す前に金融機関との相談が必要です。
①日本政策金融公庫による融資
経営力向上計画の認定を受けた事業者が行う設備投資に必要な資金について、特別金利の適用(0.9%~)となります。
貸付限度額(国民生活事業) | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
貸付利率 | 運転資金は基準利率、設備資金(土地及び建物に係る資金を除く) については、特別利率C (基準利率および特別利率Cは変動しますので、日本政策金融公庫のホームページでご確認ください。) |
返済期間 | 設備資金20年以内、長期運転資金7年以内(据置期間2年以内) |
②信用保証協会の特例
経営力向上計画の実行にあたり民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による別枠での追加保証や保証枠の拡大が受けられます。
(新商品・新サービスなど「自社にとって新しい取組」(新事業活動)およびM&A等による事 業承継の場合に限ります。)
当事務所では、日本政策金融公庫・信用保証協会の制度融資の借入サポートもしています。
資金調達についてもご相談ください。
その3 事業承継等に係る登録免許税・不動産取得税の特例
認定計画に基づき合併、会社分割又は事業譲渡を行って、土地・建物を取得する場合には
「登録免許税(印紙代)」、「不動産取得税」の軽減を受けることができます。
その4 法的支援
①事業承継を行うことを含んだ経営力向上計画が認定された場合は、事業のための許認可をそのまま引き継ぐことができます。
ただし、対象となる業種は
旅館業/建設業/火薬類製造業・火薬類販売業/一般旅客自動車運送事業/一般貨物自動車運送事業/一般ガス導管業
②事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例
ひらたく言うと、簡単な手続きで事業を譲渡した側に債務は残らないようにできる。
当事務所では、許認可・変更申請の手続きも代行しています。
事業承継についてはご相談ください。
その5 補助金の優先採択
小規模事業者持続化給付金などは審査の際の加点項目にあげられていますので、
採択率を上げるには、経営力向上計画の認定を受けておく必要があります。
小規模事業者持続化補助金
当事務所では補助金の申請サポートもしています。経営力向上計画認定申請代行とのセット割がお得です。
その6 国の「お墨付き」による信用
経営力向上計画は、所管大臣あてに申請し認定を受けます。受けていること自体が社会的評価につながります。
認定の申請について
基本的には、経営力向上計画申請プラットフォームからの電子申請となります。
注: 申請に先立って、電子申請用のID(gBizIDプライム)を取得しておく必要ががあります。これには1~2週間かかります。=>取得方法についてはこちら
郵送の場合は、こちらから申請書等をダウンロードしてください。
計画書の作成
1.まず最初に、「日本標準産業分類」で、自社に該当する事業分野を確認します。
大分類・中分類・小分類とありますので、小分類まできちんと確認します。
2.次に、「事業分野別指針」を自社の属する業界を選択して、内容をよく読みます。
<「事業別分野指針」が策定されている事業分野(業種)については、当該指針を踏まえて策定する必要があります>
と指示されていて、この内容に対応した計画でなければ認定を受けられません。
3.「ローカルベンチマーク」を使って財務分析をします。
計画書にはローカルベンチマークの結果を記載することが必須です。
過去2年間の決算報告書等の内容を入力して経営指標を計算し、計画書に記載します。
また、計画終了後の財務状況がどうなっているかも、
ここに予想数値を入れて計算します。
4.計画書を作成(入力)していきます。主な内容な以下のとおりです。
①企業の概要
②現状認識
③経営力向上の目標及び向上の程度を示す指標
④経営力向上の内容
⑤(事業承継等を行う場合)事業承継等の時期及び内容
申請から認定までのポイント
・業種によって申請先が異なります。
・税制優遇措置を受けたい場合は、購入した設備について工業会の証明書を発行してもらう必要があります。
・導入する設備は認定日以降に取得するのが基本ですが、事前に取得した場合、取得日から2ヵ月未満であれば認定申請できます。
・申請から認定まで約30日かかります(所管する省庁が単一である場合。複数省庁にまたがる場合は約45日)。
・不動産取得税の軽減措置又は許認可承継の特例を利用される場合は、さらに関係行政機関における評価・判断に日数が必要となります。
税制優遇のためには、当期に取得した設備で、当期のうちに認定を受けていることが必要です。
期をまたぐと優遇措置が使えなくなりますので、御社の決算月に注意してください。
経営力向上計画・作成と申請代行
経営力向上計画の作成と認定申請には、いろいろ細かい決まりがあります。
「手引き」や「指針」その他の認定申請要領を熟読し、ミスの無い申請書類を作ることが必要です。
こんな時はお気軽にご相談ください。
- 確実にスムーズに認定を受けたい
- 申請手続きをしている時間がない
- 決算が迫っている、とにかく急いで認定をとりたい
- 近くに相談できるところがない(全国対応できます)
設備投資を伴う場合で、税制優遇・融資のための取得
申請代行手数料 80,000円(税抜)
小規模事業者持続化補助金等の加点項目として取得
申請代行手数料 50,000円(税抜)
税制優遇で通産省の確認書が必要な場合
申請代行手数料 120,000円~(税抜)
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