日本政策金融公庫の借入申込書の書き方
日本政策金融公庫の借入申込書には書き方のポイントがある
日本政策金融公庫に融資を申し込む際の「借入申込書」はA4で1枚、簡単に記入できそうですが、
これを書く時にはいくつか注意点があります。
記載に不備があれば申込のやり直しとなってしまいますので、そのぶん融資が遅れます。
以下のポイントを抑えるようにしてください。
借入申込書の取得方法
借入申込書は、日本政策金融公庫のwebサイトに様式がありますので、こちらからダウンロードしてください。
(PDFファイルしかないのでWord等では編集できません。手書きとなります。)
裏面も必ず印刷すること。裏面も一緒に提出しないと修正事項となり審査が遅れます。
日本政策金融公庫の支店受付窓口でも、
「融資の申し込みをしたいのですが」といえば、借入申込書と、その他必要書類のフォーマットをもらうことができます。
郵送もしてもらうこともできますので、支店に問い合わせてください。
PCに慣れている方ならネット申し込みもおすすめ
こちらからネット申し込みする場合は、借入申込書は不要です。
インターネット申し込みでしたら、
借入申込書のダウンロード→印刷→手書き→間違えたら書き直し
という手間が省けますし、融資申込の受付を早くすることができます。
借入申込書の記入方法
創業計画書などと比べると記入項目も少なく簡単そうに見える『借入申込書』ですが、記入上の注意点もいくつかあります。
それでは、各項目をみていきます。
一番の注意点があるとしたら、「丁寧に書くこと」です。
書きなぐり・ミスしたらぐりぐり塗りつぶし、シミがついてるなどはいけません。とにかく丁寧に書いてください。
借入申込書記入時の注意点
① お申込人氏名(法人名・商号・屋号)
株式会社でしたら会社名、個人事業主でしたら屋号を記入します。
屋号がまだ決まっていないというときは、空欄のままにしておきます。
まだ悩んでいるけどとりあえず書いておく、ということはしないでください。
面談のときに記入ということもできますし、あとで違う名前に変更となると手続きがけっこう大変だからです。
② お申込人氏名(個人事業主の方、法人代表者の方のお名前)
法人の場合でも、「代表取締役」などの肩書はいりません。氏名だけです。
かならず直筆で記入します。
押印は要りません。
③ お申込金額
漠然とこれくらいとか、多めに書いとけ、ということは通用しません。
また、”いくら借りられるか分からないので空欄にしておく”と申込みを受け付けてもらえないのでNGです。
具体的にいくらくらい借りられるかはこちらの記事を参照してください。
④ お借入希望日
あくまでも希望日です。ここに書いた日付までに融資が行われるということではありません。
申込から融資実行までおよそ1か月かかりますので、それを考慮した日付としますが、それより早くともかまいません。
融資が決定したとき提出する契約書にも「借入れ希望日」の記入があり、改めて指定することになりますから、ここで悩む必要はありません。
⑤ ご希望の返済期間
返済期間と据置期間の上限は、適用される融資制度によっても異なります。
申込の段階ではどの制度となるかわからないのがほとんどだと思いますし、悩むところです。
事業形態、借入額など個々の事情により違ってきますが、
・運転資金なら5年
・設備資金は7年~10年(減価償却期間に合わせるのがいちばん合理的ではあります)
とした申込が多いようです。
長すぎると希望通りの返済期間とならないこともありますし、面談時に相談して期間を変更することも可能です。
⑥ 元金据置
毎月の返済額は「元金+利息」の額となりますが、それをすぐに返済すると負担が重いときは、元金の分の返済開始を遅らせることができます。
(つまり、最初のうちは利息分だけ払えばいい)
3~6ヶ月程度が一般的なようです。
現在返済中の借入がある場合、それが終わったタイミングで元金返済が始まるようにしておくと資金繰りが楽になります。
ただし、据え置き期間があまり長すぎると、それが過ぎた後の返済が大変、ということもあり得ます。
(たとえば返済期間3年と設定、据え置き期間を1年とすると、実質2年で借入金を返済することになります)
また、追加融資まで考えている場合は、返済実績を積んでおくことが重要となるので、据え置き期間はできるだけ短くします。
⑦ 毎月のご返済希望日
(信用金庫など)金融機関によっては対応していない日付があります。
わからなければその金融機関に問い合わせましょう。
⑧ ご返済のお支払方法
日本政策金融公庫は融資をするだけの金融機関なので、預金口座を開設できません。
ですので、支払いには他の金融機関の口座を指定します。
創業しようという段階ですから、まだ口座を持っていない場合もあると思いますが、
そのようなときは、これから口座を開設する予定の金融機関名でかまいません。(融資決定までには開設できていることを前提として)
なお、指定する口座は自動引き落としのできるところでなくてはなりませんので、ネットバンク等は注意が必要です。
⑨ 資金のお使いみち
使いみちは設備資金優先とします。
見積書も提出しますので、使いみちがはっきりしていて融資もしやすいからです。
お申込金額 - 設備資金の額 = 運転資金の額、とします。
設備資金の一部を融資で賄う(設備資金の額>お申込金額)といった場合は、運転資金はゼロでもかまいません。
ただし、個々の資金使途が運転資金/設備資金どちらにあてはまるかは、最終的には融資担当者の判断となります。
⑩ 本店所在地
法人の場合は、履歴事項全部証明書に記載されいる本店所在地をそのままのとおり、ここに記入します。
⑪ 営業所所在地
個人の場合は、ここに事務所・店舗の所在地を記入します。
⑫ お申込人または法人代表者の方のご住所
住民票に記載されているとおりに記入します。
自宅が事務所または本店所在地の場合は、「本店所在地」「営業所所在地」は空欄にしておいてかまいません。
⑬ 携帯電話
郵便だけでなく電話連絡もきますので、日中に連絡の取れる番号を記入します。
⑭ 創業年月
これから創業するという場合は「創業予定」年月を記入します。
すでに創業しているという場合は、その創業年月(法人設立日または開業日)を記入します。
⑮ 業種
具体的な業種を記入します。
免許が必要な事業やるにもかかわらず持っていないなら融資申込は却下になります。当たり前ですが。
(創業計画書に資格の記入欄がありますし、面談でも免許証の持参を求められます。)
営業するのに自治体等の許認可が必要で、それがまだ取得できていない場合も、事前に問い合わせしておきましょう。
また、風俗業等、一部の業種は融資の対象外です。(法人の場合は定款にそのような目的が書いてあるだけでもダメです)
⑯ 従業員
その事業で、これから雇うであろう人数。自分ひとりだけでやる場合は0人と記入します。創業計画書と一致させてください。
⑰ お申込人または法人代表者の方のご家族
同居している家族です。
審査担当者が、家計の負担がどれくらいあるかを推測するために必要となります。
反面、家族全体で収入が多ければアピールポイントになりますので、収入があればかならずその職業を記入します。
⑱ 担保・保証の条件をご選択ください。
不動産担保を提供するかによって融資額、利率などで有利となりますが、抵当権という大きな負担が課せられます。
自己所有の不動産があるときには、面談のときに証明書類(固定資産評価証明書など)を持っていけばそれだけで審査に有利となりますので、申込時には担保提供なしでもかまいません。
保証人をつけることはできなくなりましたので、保証人をつけるつけないの選択肢はありません。
法人で融資を申し込んだ場合で、代表者の連帯保証を外したい場合は[D]にもチェックをいれます。
申込先
申込は、法人で創業される方は本店所在地、個人で創業される方は創業予定地の近くの支店へ郵送となります。
借入申込書を書いただけでは融資は無理。
日本政策金融公庫の融資申込に必要な書類は、借入申込書1枚だけではありません。
以下の書類も必要となりますのであらかじめ準備しておいてください。
- 「創業計画書」(創業時)または企業概要書(決算を1期以上終えている場合)
- 既に創業されている場合は、「確定申告書」・「決算報告書」
- 決算から半年以上経過しているときは「合計残高試算表」
- 「収支計画表」
- 設備資金を申込ときはその「見積書」
- 設備資金を申込むときは「設備投資計画書」
- (法人の場合)「履歴事項全部証明書」
- (担保を希望する場合)「不動産の登記事項証明書」
- 許可が必要な業種は「営業許可証」
- 本人証明書類(法人の場合は代表者)
- 生活衛生関係(飲食店、美容理容店など)の事業を営む方は、都道府県知事の「推薦書」はたは、生活衛生同業組合の発行する「振興事業に係る資金証明書」も必要
さらに、資金使途・借入金額などにより追加で書類提出を求められることもあります。
どんな書類があるかについては公庫の『各種書式ダウンロード』ページを参照してください。
そして、本当に融資審査にパスしたいと思ったなら、
事業計画書、資金繰り表などの書類も添付することになります。
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